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【序 章】終わりの始まり
いつからだろう──。
自分の思いとは裏腹に、周りからの期待ばかりが大きくなった。
いつからだろう──。
姿も見えぬ権力者の顔色を窺いながら過ごす毎日。
いつからだろう──。
自分が住むこの世界を立て直したいと、守りたいと思った。
そしていつしかそれは、あれほど忌み嫌っていた父と同じ思いだと気付いた。
魔界を包む暗雲と容赦なく吹き付ける風。見通しの悪い荒れ地を行けば、漆黒の海へ辿り着く。
それがどうした?
諦めの悪さは親父譲りだ。
魔歴【禊】759年
アシュレイ・ロンハルト
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