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「さあさあ、遅れちゃうわよ、空」
ぎゅうぎゅうと車に押し込められ、私は母さんの運転で学校に向かう。
「か、母さん、」
私は母さんにこの格好を指摘されないもどかしさを感じる。
「大丈夫、遅刻はしないと思うわ」
私が心配しているのはそのことじゃないよ! でも母さんは、気にする素振りもなく運転に集中している。
「はぁ」
思わずため息が出た。なぜ女子の制服がズボンなのだろう。男女平等を目指しているのかな? それにしても、制服はスカートがよかったよ。女子高生って憧れだったのに。
「さあ、ついた」
はっと気づくと、大きな学校の前。……私立那珂宮学園。そのとき、学校の名前が自分の名字と同じことに気づいた。
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