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「入寮式かぁ」
五階建ての、やけに小綺麗な寮を見上げてつぶやく。やっぱり私立は違うね……寮といえば、ボロボロの木造建てだと思っていた。
「部屋が近いといいねえ」
晴依は愛らしい笑顔を私に向ける。思わず胸がキュンとするような、そんな笑顔。弟くんがブラコンになるのも……って、ブラコン？ ああ、晴依、シスコンと言い間違えたのね。私は勝手にうんと頷き、あることに気づいた。
「部屋、わからないかも」
「え？」
「どこか知らない」
「寮からのハガキ来なかった？」
「わからない」
きていたのかもしれないけど、私は見ていない。
「あ、でも大丈夫だよ！ たぶん、部屋の割り振りの張り紙があると思う」
晴依はそう言いながら、ある一点に集まる人だかりを指差した。
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