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「晴依は弟でも男の子と同じ部屋なんだね」
「……え?」
素直な疑問を口にすると、晴依は首をかしげ笑う。
「男しか、寮にはいないよ」
「え?」
今度は私が首を傾げる番になった。
「男子校じゃん、ここ」
晴依の言葉に、私は絶句するほかない。
「共学だと思って受験したの?」
「だって、晴依……」
「こいつは女顔だが、ついてるもんはついてるぞ」
雨依が私の考えを察してか、晴依をちゃかした。
「ちょ、雨依!」
晴依は雨依の言葉にプンプン怒りながら、私の肩をたたく。
「……出会いは学校じゃあ見つからないかもしれないけど、部活とかイベントとかであるよ! きっと!」
私が呆然とする理由を勝手に解釈した晴依は、部屋に向かおうと私の手を握ってくれた。少し、泣きそうになった。
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