入学式入寮式

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「じゃあ荷物置いたらそっち行くね」  エレベーターで四階まであがると、晴依と雨依は部屋に入っていってしまった。私はため息をつき、四○二号室のネームプレートを見る。 「那珂宮、と……」  自分の名前を確認すると、部屋のドアノブをひねった。 「おお、」  部屋はそう広くはないけど、陽の射し込む清潔な部屋。二段ベッドがあるから、二人部屋なのかな……ネームプレートは私の名前しかなかったけど。 「くーうっ」  チャイムが鳴り、晴依の声がした。 「はーい」  私は荷物を放り出し、部屋を出る。男子校って、どっきりだよねきっと。たちの悪いギャグ。そうだよそう。自分に言い聞かせるものの、それは間違いだと気づいていた。ただ、信じたくなかっただけ。  ともかく父さんに文句を言わなきゃ。私はぎゅっと拳を握った。
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