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「意味わかんねー……」
頭を掻くしかなかった。何をしたらいいのかわからない。ああ、寮に戻ろう、とりあえず。それでいろいろ、考えよう。……考えるって何を。だめ、悪循環。
どうすることもできなくて突っ立っていると、
「うおっ」
「きゃっ」
頭の色が変な人にぶつかられた。ドサッと倒れこむ。
「悪ぃ、大丈夫か?」
ぶつかってきた人はパンパンと膝小僧の汚れを払いながら、私に手を伸ばす。
「ああ、ありがとう」
私はその手をつかみ、立ち上がる。
「ちっちぇ手」
つぶやくその人を見上げた。深い青の髪が、海の色みたいだった。
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