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「父さんはねー、学校を経営しているんだよー」
酔っ払いの父さんは、でまかせを臭い息とともにはく。
「何言ってるの。父さんはサラリーマンでしょう」
私は片手で鼻をふさぎながら、邪魔な父さんを飛び越えた。
「父さんは嘘つかないよー」
うつ伏せだった父さんは、ごろんと仰向けになる。普段なら絶対しないような、でろんとした表情。
「もう願書は出してあるからー」
「は?」
私は今度こそ、ドッグフードを下に落とした。
「受験日は明日だよ」
そんな父さんの言葉を聞いて。
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