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こ、これはどういうことだろう。真っ白になる頭。というか、
「誰?」
そう長くない黒髪に、きれいな肌。長めの前髪が右側に流れている。
整った寝息。
私はほっと胸をなで下ろした。つぶやきはきっと聞こえていないよね。
「よかったぁ」
いやいや、何がよかったのかと我に返って眉をひそめる。私は早くここを出たいんだってば。今なら女ってバレて、面倒なく退学できる! ……高校には行けないことになるけど。
四苦八苦していると、突然不審がる声がした。
「……何」
その声の主は、寝ていた男の子のもの。
「あ、」
私はびっくりして、二段ベッドのはしごから手を離してしまった。
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