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気がつくと、私はベッドの上にいた。頭をあげようとすると、突き刺すような痛みが襲ってきた。
「いってえ……」
頭を抱えて、またもとに戻る。
「気がついたか」
不意に安堵する声が聞こえた。
「……誰?」
私は痛む頭を声のする方に向ける。
「君のルームメート」
そこには、黒縁のメガネをかけた、男の子。さっきまでベッドで寝ていたはずの彼。というか、やっぱりルームメート……。
「眞川陸(まがわ りく)」
手にしていた単行本を閉じ、陸はため息をついた。
「僕は君が嫌いだ」
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