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「何、いきなり……」
戸惑いを隠せない。見開いた目が、陸から離れない。
「初めに言っておくべきことだから」
陸の目は鋭く痛い。
「同室だからといって、君となれ合うつもりはない」
薄い唇から発せられる言葉に私は動くことができない。
「理事長の息子のせいで、本当に入学したかった人が一人、入学できなかった事実を知れ」
「は?」
私は思わず起き上がった。ガツンと頭が痛む。
「誰が、理事長の息子……?」
しかし陸は私の言葉を無視し、本に視線を戻している。
「……どういうこと?」
全く意味がわからなくて、私は頭を掻いた。
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