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「海」
「友だち?」
晴依の言葉にうんと頷く。なぜか雨依が、晴依のうしろに隠れた。しかし雨依の長身が晴依で隠れるわけがない。
「席あいてるみたいだし、あそこに座ろう」
私は晴依のアイデアに、そ……そうだね、と従う。あのテンション、雨依には合わない気がするんだよね……勘だけど。
「晴依、他にも席はあいてるぜ?」
「でもせっかく誘って、」
「誘ってるのはこいつだけだろう」
雨依は必死に行くまいと晴依を説得する。が、
「……あれ、雨依?」
海が席を立ち上がり、前のめりにこちらを見る。雨依の盛大なため息。
「……よう」
雨依が嫌そうに返事をした。
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