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「酔っ払いは相手にしない。うん」
私は自分で納得して、落ちたドッグフードを拾う。心臓はバクバクしていた。
母さんに頼まれたことを済まし、手を洗うと部屋に戻る。
「くそー、あの酔っ払いめ」
ベッドに寝ころび、壁にかかる制服を見つめた。私の学校は紺色のブレザーで、男子も女子も赤いネクタイだ。明日もあれを着て、受験をする。アイロンをピッチリかけられたワイシャツに、赤いネクタイ、紺色のブレザー、紺色の……ズボン?
「なんだそれ!」
ズドンッ!
私は大きな音をたて、ベッドから転げ落ちた。
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