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『正しい償いの仕方』
長居はぱくぱく口を動かしてそう言った。
「の…則和、則和!消して……早く」
ダサいことに俺は腰が抜けて動けない。
「則和っ」
テレビの近くになんの反応もしないままジッと画面を見つめている
怖がるそぶりもみせない。……変だ。
画面がまた砂嵐に戻ったかと思ったら場面は変わり、映ったのは校舎裏だった。
そこに見覚えのある人が一人立っていた。
…則和だ。
隣りに俺もいる。
そこへおずおずと長居がやってきた。
「そうだ…これは…」
画面の中の則和が勢いよく長居の顔を殴った
うぅ、と小さい悲鳴が聞こえる。
「なんで……」
そして地面に倒れこんだ長居に俺が酷い言葉を浴びせている。
『お前……なんでいんの?いなくていいんだけど』
『生まれてきた価値あるわけ?そんなんで』
『そういえばお前が好きな未羽ちゃんお前のことキモいってよ?』
体が震える。
いつの間に撮られていたんだ……こんな…。
ジーッとビデオをまわす不気味な音が聞こえる。
画面の中の俺が長居の胸倉を掴んで、
『死ねば?』
と言った。
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