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リリアが部屋を出ていった事でやっと静かになった。
俺以外に誰もいないのだから当たり前といえば当たり前だが…
ベッドの脇にある窓にはカーテンが掛かっていないので月明かりがよく見える。
きっと朝は眩しいだろうな、等とくだらない事を考えて目を細めてみる。
それにしても妙な話だ。
年端もいかないような少女が一人で暮らしていて、おまけに部屋にはカーテンもついていなければベッド以外は何もないなんて。
まるで空き家にそのまま住み着いているようではないか。
俺が名を名乗った時も名字があるだけで貴族かを問うというのも可笑しな話だ。
一体あのリリアって子は何なんだろうか?
あんな可愛らしい容姿をしているが、実は俺を追ってる奴らの仲間なんじゃないだろうか?
様々な考えが浮かんでは消えるが、何せずっと逃げていた身だ。
疲れていて何も考えれそうにない。
俺はそのまま倒れるように固いベッドで眠りこけた。
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