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「それで、早苗はなんで貴将くんなんかに話しかけたの?」
尚斗を見ていたルイナが、早苗に振り返って言う。
「ルイナちゃん、なんかはヒドいんじゃないかな…?」
ルイナの発言に苦笑いする早苗。
「え~とね?そろそろ文化祭の準備を始めなきゃ行けないから貴将くんにもお仕事お願い出来ないかな、って思ったんだけど…」
早苗は、少し気後れしながらも自分の用件を話した。
「ということらしいわよ、貴将くん…って、いないじゃない!?」
先程まで貴将が座っていた、席にはいつの間にか誰も座っていなかった。
「あ、向こう…!」
早苗が周りを見回すと、別の離れた席に座って、先程から見ていた本を読んでいる貴将がいた。
二人が近付いて話しかけると、
「何、もう終わったの?」
面倒だと言いたげな表情で、本から顔をあげた。
「少しくらいは、待っていてくれてもいいんじゃない?」
腕を組んで、不満げな表情で貴将に言葉を返すが、貴将が急にニヤリとする。
「夫婦の間に横槍をいれるのは嫌だからな。」
「だ、誰が夫婦なのよっ!?」
からかわれている事が分かりながらも、声が大きくなってしまう、ルイナ。
しかし貴将のニヤリ顔は止まらない。
「まぁー、毎回毎回よくもやるよね、好きな人ほど苛めたくなるってやつかな?」
「そんな訳ないでしょっ!?」
ルイナの顔が段々と赤くなっていく。
「いつも、ツーとカーで会話が成立してるって聞いたけど?」
「それは、昔からの知り合いだから~…っ!」
ルイナがやっと貴将が憎たらしい笑みを浮かべているのがわかると、こめかみを押さえた。
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