寒かった

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ある日ある場の食堂で。 となりの親父と話をする。 気が合い笑いながら話する。 俺は旅人、彼は日雇い。 彼は黙って席を立つ。 彼はレジで止められる。 俺を指差し話する。 そのまま彼は外へ出る。 寒い冬の終わりだった。 騙された思い席を立つ。 おやじをおいかけ席を立つ。 レジへ行くと彼はいない。 おばちゃんに料金を聞く。 そのとき初めて事を知る。 「あのおっちゃん明日仕事入るみたいやから、今あんたの食べてたぶんもつけにしてくれって…」 涙が出た。 嬉しさよりも、一秒でも人を信用しなかった自分が悔しかった。 僕は金がなくても人より贅沢してるのだ。 温かいソバ一杯。 忘れない。
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