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美涼「ほら…泣きなさい」
優斗「そんな簡単に泣けるかよ……
俺はあれ以来泣いてないんだし…」
美涼「あれ以来?、………あ。」
何か思い出したみたいだ
美涼「………捺姫(ナツキ)さんと誠人(マコト)さん?」
優斗「うん。だってそうだろ…親がこの世から…まあ、親に限らずだけどな。肉親を全て失ったんだ…たった一瞬の出来事で……」
美涼「あの時も私の所で泣いたよね」
優斗「昔は本当に美涼さんがお姉ちゃんだったんだよ…。純粋な俺気持ちで答えると…
悲しい時は一緒に泣いてくれて、悔しい時は一緒に悔しんでくれて、嬉しい時は一緒に笑ってくれて……
みぃねぇが本当の本当に大好きだった…
お嫁さんになってもらう!とも思ったんだし…」
美涼「ゆうがそんな風に思っててくれてたなんて知らなかったな~…」
優斗「恥ずかしかったもん。言うの…子供なら誰にでもあるでしょ?」
美涼「まあね」
優斗「だから今も昔もみぃねぇには嘘もつかないし隠し事もしない。相談相手もみぃねぇ…勉強を見てもらうのもみぃねぇ…。俺の中ではなんでも1番がみぃねぇだったんだ…
もちろん…異性としても1番好きだった。
そこにひなが現れ、ゆきに告白され、ひなにも告白された……」
美涼「私が初めて2番になっちゃたんだ」
コクッと頷くだけであった
美涼「だけど私は嬉しいよ。ゆうが私をそんな風に見ててくれて、思ってくれて。だから私に感謝や恩返しをしたいと思うなら…
ひなちゃんと幸せになりなさい。ひなちゃんを幸せにしてあげなさい」
優斗「はい」
美涼「……でも今は…辛いでしょ?…雪菜のこと…」
優斗を抱きよせた
優斗はコクッとだけ頷き、声を殺して泣くのであった
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