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教室を出て、早足で廊下を歩く
誰にも会いたくなかったから…
けど、そんなあたしの願いも虚しく、廊下には誰かがあたしを呼ぶ声が聞こえた。
「加奈…?」
声が聞こえたから振り向いた
振り向くと見えた人…
悠也…
あたしが今1番会いたくなかった人…
悠也「早退するの?」
加奈「あっ、うん。まぁね…」
悠也「大丈夫?」
加奈「うん…じゃね。」
あたしは、そぅ告げると、足の向きを変えて、靴箱へと向った。
悠也「加奈!!」
もぅ1度名前を呼ばれたので、軽く顔だけ振り向いた。
そしたら、今までに見た事もないような、とびっきりの笑顔で《バイバイ》と言って手を振っている悠也がいた。
悠也をこの笑顔にさせてあげたのは奈緒。
そぅ思うと、けして涙もろいワケではないあたしの目からは一筋の涙が頬を伝った。
そんな16歳の夏の始め。
《もっと強くなれますよーに》
そう、おまじないするかのように一言呟いた。
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