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“なんて酷い”
“シンデレラ、目にもの見せてやろう”
そうね
私はバスケットを開いた
中からフォーレストが飛び出し女性は悲鳴をあげる
『いやぁぁぁあ!!カラスよ!!』
“可哀想なシンデレラ
美しいシンデレラ
君を傷付けるような奴は痛め付けてあげる”
“美しいシンデレラ
こんなに美しい君をみすぼらしいという唇は”
“僕が食べてあげる”
“美しいシンデレラを認めない目は”
“僕が食べてあげる”
フォーレストは女性の目をその鋭い嘴で
えぐりだした
ジャックは柔らかな可愛い唇を
べろり
と 噛みきった
『いやぁぁぁぁぁぁぁああ!!!!』
“シンデレラ
こいつ、暴れてかないやしないよ”
“シンデレラ
こいつを大人しくさせてくれないかい”
「えぇ、わかったわ」
私は裸のマネキンを持ち上げた
そして
逃げ惑い痛みに悶える女性に
ベシャ
マネキンを何度も振り落とした
店内の床に真っ赤な肉の塊が潰れて鮮血を吹き出していた
どうしましょう
このまま置いておくわけにもいかないわ
“シンデレラ、シンデレラ”
“僕らにお任し”
“綺麗に残さず”
“みんな食べてあげる”
すると、何処からともなく何千というネズミとカラスが現れ
ぐちゃぐちゃに潰れた肉の塊を綺麗に片付けた
「みんな、ありがとう」
“良いんだよ”
“シンデレラ”
“でもシンデレラ”
“服は新しいものにしたほうがいいね”
「あら」
あの女のせいで私の一張羅が血塗れに…
でもここはお洋服屋さん
そうね
せっかくだから綺麗な服に変えましょう
そして私は
水色の使用人用の服に着替え店をあとにした
「あら、いけない
忘れるところだったわ
ジャック、残してくれた?」
“もちろんさ、シンデレラ”
私は
床に残された一本の腕を拾いバスケットにしまった
今日はとっても安上がりな買い物だったわ
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