始まりを告げる光

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村の皆も、何かとインシェアを頼りにする事が多かった。 若い彼女に何度も何度も救われ、皆インシェアにとても感謝をしていた。 そしてそれは、本人も良く理解していたのだ。 自分しかいない。 それはあたかも決められた運命かの様にインシェアはそう感じ、村長に言い放つ。 「わかりました。光の神の様子を見て来ればいいんですね?」 だが、インシェアの顔は少し不安そうであった。 その気持ちを悟られまいと、必死に口元を引き締め隠そうとしている。 若者の、村を守りたいという決意。 「すまないな……、そしてありがとう。」 悲しげな瞳をインシェアに向ける村長。 「祠の中はとても危険じゃ。ちゃんと準備をしてから行くんじゃぞ」 他に言葉はなかったのか、素っ気なくそう言い、又窓の外を見つめた。 村長も内心は凄く不安なのだ。 しかし果たしてそれは、危険な場所へ村の若者を行かせる事に対してのものなのか。 それとも、これから起こる出来事を想像してのものなのか。 何もわからぬまま、インシェアは一人で祠へと向かうしかなかった。
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