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「……さい」
耳元で囁く女性の声は、とても優しく聞こえて心地好い。
「……う、ん……」
その声が鼓膜をくすぐるも、朝の微睡みの気持ち良さで沸き上がってくる眠気が、少女を夢の中へと引き戻す。
「……なさい、……ア」
「…………」
次第に強くなっていく声に誘われる様に、少女の意識がより鮮明になっていく。
「起きなさい! インシェア!」
「うひゃあ!」
母親らしき人物に頭上から怒鳴られ、少女は勢い良く布団から飛び上がった。
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