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「まだまだ 強くならなきゃいけない・・・・よな」
トールは木の上で 風に吹かれていた
顔の前で手を握りしめ
それをふっと 緩めた
「早く元気になれ」
――――――――ユニフェルの家
「ん、 ん~~」
ベッドの中で 精一杯の伸びをした
横に目をやると 窓からは陽が入り 部屋を照らしていた
眠い目をこすり 上半身だけおこした
「えっと。たしか洞窟で・・・」
思い出そうとし 頭をひねった
「あっ!アーティファクトに触れようとして・・!!」
身体中に痛みが走る
手や腕に切り傷のようなあとが沢山残っていた
「まだ治ってないんだ。」
扉が開きユニフェルが入ってきた
リンゴやぶどうが入ったバスケットを抱え
シヴのいるベッドに近づく
「まだ痛むだろ?」
リンゴを一つ取りだし ナイフで皮を剥き始めた
「少し ですけど もう大丈夫ですよ」
にっこりと笑って
ベッドから出ようとする
「っ!」
ふらついて倒れそうになったシヴを
ユニフェルがあわてて受け止め
「ほらっ あんたはまだ怪我人なんだから」
優しく叱り ベッドに寝かせた
「すみません」
そう言って 申し訳なさそうにした
ユニフェルはまたリンゴを剥き始めた
「あんたらのおかげで 大事なもんを無くさずに済んだよ」
続けて
「ありがとうね」
シヴを見て言った
シヴはベッドの中で すでに眠りについていた
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