FILE:02 旅立ち

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忙しなく人が行き交っている   俺はただその人たちを見ていた   自分が何をしたらいいのか 何を見ればいいのか   全く解らなくなっているときに こういった行動を取るのだと 確認してしまう   横ではぴょこぴょこと跳ね回っている女の子を軽く無視し 立ち上がった   「あれ?どこにいくんですか?」   腑抜けた声で聞いてきた 全くこのオンナはぁ・・   「どこって、俺たちの使命を忘れたのか?」   「えと~」   首をかしげ 腕組みをしながら考えている が   「考えてる振りをするな!」   ピシャリと言い捨て 歩き出した 後ろをまたぴょこぴょこと跳ねながら着いてくる だからもう一度   「跳ねるな! いちいち気になるからっ」   と言い捨てる     俺たちの『使命』 それは数日前までさかのぼる ハグリード神に呼び出された俺たちは 何の疑いもなくハグリード神に会ったのだ ところが ハグリード神から伝えられたのは 不思議な 不可解なこと それは 「選定者が消息をたった」 その一言だった 俺たちはただただ ハグリード神が話すことをじっと聞いた 選定者とは 地上界において優秀な魂を選び 神界の戦士となるものを決める者 だそうだ 選定者は最高神オーディンに仕える 戦乙女≪ヴァルキリー≫だ ハグリード神いわく 彼女らはそこらの神々より強く とても美しいらしい まぁ最後のはどうでもいいが なぜ消息をたったのか 「調べてきてくれ」 らしい   いや そんな大事なことをこんな下っぱ神官に頼むなよ       「はぁ・・」 ため息が自然に出てくる この数日間 選定者の情報は何一つ得られなかった 地上界は何かと面倒で動きづらかった   「確か 情報を売ってくれる 情報屋がいるらしいんだが」   俺は先日 手に入れた情報を元に <トルア>という港街にいた   いろいろと街をまわってみたが これといって 情報屋らしき人物に出会うことはなかった   「疲れたな・・・ そろそろ宿を探すか?」   振り返るといるはずのシヴがいなかった   「ってまた!? 何回目だよ 街に行く度に迷子になるの止めてくれ」   愚痴をこぼしながらトールは路地をまわった   すると 数人に囲まれている影が見えた   「はぁ・・たく」   一息ついて トールは数人を背後から手刀で気絶させた  
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