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潮の匂いが風に乗り 町中を満たしていた
空は雲一つ無く 済んだ青色 無数の海鳥たちが飛んでいた
宿屋から見える景色はこの港町の見せたいものが全て見えるかのように二階が客室となっていた
窓からは柔らかな風とともに 海独特の潮の匂いが常に感じられる
太陽が水平線から顔を出してから もうかなり経った
見上げれば その輝かしい光は直視できないほど 放っていた
「…もう 太陽があんなに高く上がったなぁ」
客室から見える外の賑わいと それをいつまでも照らす太陽を交互に見ながら呟いた
「そろそろ町の中を歩かないか?」
そういって鏡の前で唸っているシヴに目をやる
朝食後からこの調子であった
毛先が少しはねているだけだろ
と トールは思っていた
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