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クシでなんども髪をとかすシヴを横目に 眼下に広がる港町特有の雰囲気に何かしらの期待と希望を抱きつつ
まだこの部屋から出れそうになかった
「いい加減に任務を再開しないか?」
鏡越しにシヴを見ながらトールは言った
シヴは髪をとかす作業を休まず答える
「だってこんな髪じゃ恥ずかしいですよぉ」
「はぁ…」
トールはため息をつき
「じゃ今日は俺一人で探すから、お前はここで待っててくれ」
そういってトールは部屋の扉を開け 外にむかった
閉まる扉の向こうから 「ちょ、ちょっと待ってくださ…」と声がしたが 聞こえない振りをした
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