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賑わう町をぶらつきながら
トールは新たに届いた任務の内容を確認していた
未来を見ることの出来る人間を探し出し協力を要請すること
接触後 同封の手紙を見せること
「いくらなんでもこの任務は難しいなぁ…未来が見える人間なんて いるのか?」
考えながら歩くトールの目の前に数人の男が立ちふさがっていた
「こいつか?」
一人の男がトールに指差し 周りの仲間に聞いた
「そ、そいつです!」
「いきなり襲って来やがったんですよ!」
「ロッツさん!俺らの仇をとってくださいよ」
ロッツと呼ばれた男の周りの男達が騒ぎだした
「あんた達…誰?」
トールは首を傾げながら聞いた
「昨日お前にやられたらしいが…」
ロッツが言った
薄い生地の赤色のコートがなびく 明らかにこの男の雰囲気は周りとは違っていた
革手をし ブーツをはき 長めのバンダナを巻いている
コート以外は黒で統一されていた
ロッツがトールに近づいて見下ろした
「覚えがねぇはず…無いよな?」
少し考えこんで手をポンと打ち
「ああ!あの変態さん達かぁ」
その言葉を聞き
「て、テメェふざけんな!」
さらに周りが騒ぎ立て始めた
ロッツは振り返り
「黙れ」
と一言
「っ…」
一瞬にして静まり返った
トールはロッツを見上げ
「どうでも良いけどさぁ」
周りを指差して行き
「この人達が女の子を襲ってたから 倒しただけだよ?わかる?」
そう告げた
トールはもう一度ロッツを見上げ
「悪いのはそっちだから」
そう言ってその場を離れようとした
だが ロッツに肩を掴まれた
「お前面白いな」
そう言って
「テメェら!良く聞けば自分の責任じゃねぇか!」
一喝した
それから
「迷惑掛けたな すまなかった」
そう言って周りの男達を引き連れて帰って行った
「なんなのあの人達は…」
残されたトールは呆気にとられていた
「はぁ… 任務任務っと」
再びトールは歩き出し
町を隈無く踏破するのだった
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