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トールが町を踏破してしまうおよそ四時間前…
ちょうど シヴとトールが別れた時間である
トールが出て行った後も シヴは髪の毛に苦戦していた
何度も何度も丁寧にクシを入れ とかしていく が やはりどこか気に入らないらしい
「~~~っもう!」
次第に 丁寧さが薄れていく姿を 諭す人は誰もいなかったのだ
ようやく諦めたのか クシを置き 髪を結おうと 鏡の近くに置いておいたリボンを取ろうとした
リボンに伸ばしたシヴの手は空を掴んだ
「れれ?!」
どこからか吹いた風にのり
黄緑色のリボンがひらひらと舞う
「わぁぁ…キレイです」
と うっとりしているうちに
視界からリボンが消えた
お気に入りのリボンが風に舞い飛んでいってしまったことに気づくのに時間がかかった
「探さなきゃっ!」
慌てふためき 脱兎の勢いで部屋をあとにした
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