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暖かな空気が流れる
顔上げると 掴めそうな雲がゆっくりと流れていく
広い原っぱの上に 寝転がった
「・・・・・」
目をつぶると風に乗って鳥のさえずりが聞こえてくる
足を伸ばしている方には宮殿がそびえている
外壁などなく 解放感が溢れていた
宮殿からはそう遠くはない所にいた
ふとっ宮殿の方を見た
誰かが歩いてくるのがわかる
ローブをまとい 長い黒髪が風で揺れ なおかつ 光り輝いていた
もう少し横になりたかったが起き上がり 宮殿へ戻った
―――――――――ハグリード宮殿
宮殿は広く 普段使いなれている者でも 下手をすると迷ってしまうほどだった
真ん中に位置するのは 何かを象った銅像
光が差し込む作りになっていて 池や 花など 美しい物が置かれていた
そこから南に移動すると大きな広場に出る
勿論 沢山の人々がいる
服装は統一されていた
皆ローブをまとっていた
よくみると 細かな違いがあり 袖や胸には様々な紋章
ローブの作り 色 等の違いがあった
外壁は無いが 広場の入り口らしきところはちゃんとあった
そこに 1人の少年が入って来た
見掛けは17歳ごろ スラっとした体格とは裏腹に背中には大きな布で巻かれた物を背負っていた
髪の毛はオレンジ色 ツンツンしていて 瞳は深い蒼色
吸い込まれる感覚に成る程の深い色をしていた
顔立ちはまだ幼かったが 見た目ほどより落ち着いた雰囲気をかもしだしていた
彼の名はトール
後に雷神の異名を持つ 最強の神
今はまだ 神官として ここ<ハグリード宮殿>に赴任してきたばかりの話し・・・
トールは広場を見回した
「おかしいなぁ ここで待ち合わせのはずなんだけど」
辺りを何回も確認している
たまに 広場の中に入ったり わざと目立つことをしたりと していた
「もしかして 何かあったのかなぁ」
広場の外を不安そうな顔で見る
―――――ぽん
と 肩を叩かれた
振り返ると 少し太ったおじさんがにこやかに立っていた
「フレイさん!!」
トールは飛び付いた
フレイはトールの頭に手をやり
「すまんなぁ ついハグリードと長話をしちまって・・」
「ハグリードさんと?」
顔をあげ 不思議そうにフレイを見た
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