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「すべて…ですか…」
シヴは女の子の横顔を眺めながら聞いた
港から穏やかに流れてくる潮風に
女の子の髪がゆらゆらと
なびいて 時折見える目には
どこか遠くを見ているようだった
「そうだよ」
「すべて…ていうのは言い過ぎだったかな?♪」
チラッとシヴに笑顔を見せ
話を続けた
「毎日この丘にいるとね……風や草や土が語りかけてくれるんだ♪」
「あっ別に精神的に病んでないからね?♪」
ニコニコと笑った
「風がね…外の世界のことを伝えてくれたり…草は天候を知らせ…土は人の行き来や生命の循環つまり誰が死んで生まれてきたか………」
ひとつひとつの言葉が信じれないほどの意味だった
神界ではそんなことが出来る神を聞いたことがない
「まぁ 今では知りたいことはみんなが僕に教えてくれるからね♪」
立ち上がり手を空にかざすと 風がゴウッと吹いた
「すごいですね…お友達がたくさんいるんですね」
シヴも立ち上がり 思いっきり空に伸びた
「ありがと♪シヴ♪」
満面の笑みで振り向いた
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