FILE:02 旅立ち

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「すべて…ですか…」 シヴは女の子の横顔を眺めながら聞いた 港から穏やかに流れてくる潮風に 女の子の髪がゆらゆらと なびいて 時折見える目には どこか遠くを見ているようだった 「そうだよ」 「すべて…ていうのは言い過ぎだったかな?♪」 チラッとシヴに笑顔を見せ 話を続けた 「毎日この丘にいるとね……風や草や土が語りかけてくれるんだ♪」 「あっ別に精神的に病んでないからね?♪」 ニコニコと笑った 「風がね…外の世界のことを伝えてくれたり…草は天候を知らせ…土は人の行き来や生命の循環つまり誰が死んで生まれてきたか………」 ひとつひとつの言葉が信じれないほどの意味だった 神界ではそんなことが出来る神を聞いたことがない 「まぁ 今では知りたいことはみんなが僕に教えてくれるからね♪」 立ち上がり手を空にかざすと 風がゴウッと吹いた 「すごいですね…お友達がたくさんいるんですね」 シヴも立ち上がり 思いっきり空に伸びた 「ありがと♪シヴ♪」 満面の笑みで振り向いた
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