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ハグリードとは この宮殿を最高神オーディンより授けられた者
つまり 神 なのだ
神は誰しもなれるが オーディンの許可無くしてはなれぬ存在だった
トールも神を目指し 神官となり 神になる試験段階を踏んでいた
そんなハグリードとフレイが知り合いなのだろうか・・・
トールは宮殿を見てフレイに聞いた
「ハグリードさんと 知り合いなんですか?」
「昔からの仲さ ハグリードもお前みたいに神官だった時 世話をしたのさ」
「へぇ~ そうだったんですかぁ」
フレイが肩を叩き
「ま 頼んでおいたし まずは挨拶をしてきな」
トールは宮殿に向け 走り出した
その顔には 笑みが溢れていた
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
宮殿の入り口には 受付が備わっている
依頼や 相談など 頼むときに利用するために すべての宮殿には 受付があるのだ
「ハグリード神に ご挨拶をさせていただきたいのですが」
トールは受付の女性に 赴任書 と書かれた物をさしだした
「はい トール様ですね? そのまま神室にお進みください」
奥に続く道へと促された
「こちらから 神室にお進みください」
受付の女性は一礼し すぐに受付に戻っていった
トールは ゆっくりと 歩き始め神室に向かった
どうやら 神室まで直線の道らしい
お陰でトールは迷わなくてすんだ
暫くすると 大きな扉が見えてきた
トールはノックをし
「神官トール! 入ります」
と言った すると大きな扉が静かに開きハグリードが見えた
トールは部屋の中央まで進み 膝をついた
「本日より ハグリード神様の下で神官を勤めさせていただきます トールと申します! 最高神オーディン様に誓い この身を捧げる覚悟でございます!」
頭を下げ 一通り練習した言葉を言う
「許す」
と一言 階段の上に座るハグリードが発する
「時にトール」
不意にハグリードが立ち上がりトールの前に立った
「はっ!」
頭を下げたまま 答える
「―――良く来たな」
「!!」
びっくりし 顔を上げると ハグリードは笑みを浮かべていた
「フレイから聞いているよ 昇級試験まで この宮殿でがんばるといい」
「はっ!」
「それと そんなに硬くならなくてよい フレイと同じよう接してくれ」
優しくトールの頭にハグリードの手が置かれた
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