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「梨華……まぁ仕方ないよ。 それにほら、梨華が帰るまでまだあと5時間はあるんだぜ? それまで一緒に楽しもう?」
『うん……』
そう言う敬治も夜明けなど来て欲しくはなかった。
一会社員である敬治は昼には出社しなければならない。
フレックスタイム制であるためかなり自由は効くが、それでも同僚が帰って行く中で仕事をするのはやはり嫌なものだ。
「あっ……そういや今週末に田舎のお袋と親父が来るんだ……だから、今週末は……」
『そっか……わかった……』
梨華は敬治の両親から何故か嫌われていた。その事もあって敬治も両親とは不仲なのだが……
「そろそろ親父達も年だから……同居するかもしれない……嫌だけど…仕方ないだろ…?」
『そんな……』
同居すれば梨華とこうして会うことはほとんど出来ない。
結婚も考えたが、敬治も梨華の両親から印象が良くない。
両方の親から嫌われている2人に円満結婚など夢のまた夢……
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