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あちこちで爆発音が響き、集落の人々の断末魔の叫びがこだました。
ロヨラとロメは家の中でただじっとしていた。
「今回の奴らはいつもとは全然数がちがう、あいつらはポルタを本気で滅ぼしに来てる」
聞こえているはずなのだがロヨラは何も言わない。
「父さん! みんなを安全な場所に避難させないとこのままじゃ・・・」
「どこへだ?」
「え?」
「お前は安全な場所に避難させると言ったが、この世界のどこに安全な場所がある?」
ロメは返す言葉がなかった。
「ふん、いくら正義のヒーローの真似をしたところでしょせんお前には何もできないんだ」
「くそっ、俺だって!」
ロメは自分の部屋に駆け出そうとした。
「部屋の中に大事に隠し持っているマシンガンを取りにいくのか? ロケット弾を何十発も打ち込まないと破れない奴ら装甲にそんなもので何をするつもりだ」
ロメはロヨラを睨みつけた。
「父さんの言う通りだ、普通の銃弾なんかじゃ傷一つ付けられない、でも、奴らの注意を少しでも俺へそらすことができたら、逃げてる人を一人くらいは救えるかもしれない」
「くだらんな、そんなことで命を無駄にするつもりか、お前が仮に誰かを救えたとしてその者が奴らから逃げ切れると本気で思っているのか?」
ロヨラはロメの言葉を一蹴する。
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