第一話 魂を震わせて!

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自動機動兵器は何事もなかったかのようにたたずんでいる。 「くそっ!」 ロヨラはロケット砲を地面に投げつけた。 自動機動兵器のサーベルが今度はロヨラ目掛けて振り下ろされる。 ロヨラは逃げようとはしなかった。 「最後までお前の仇を討てなかった、すまない、ミイユ」 天を仰ぎ亡き妻の名前を呟くとロヨラは目を閉じた。 「父さん!」 突進してきたロメがロヨラを突き飛ばした。 すぐあとにサーベルがロヨラのいた位置を切り裂いた。 ロメとロヨラは間一髪で攻撃から逃れ瓦礫の山を転がった。 「ロメ! 逃げろと言ったはずだ、なぜ戻ってきた」 「父さんに借りを作ったまま死なれたら困るんだよ」 「勘違いするな、集落の皆が避難する時間をかせぐために来ただけだ、誰が馬鹿息子なんか助けに来たと言った」 「あれ、俺達もう親子でもなんでもないんじゃなかったっけ? 馬鹿息子とか呼ばないで欲しいんだけど」 ロメが軽口を叩くと、 「お前の方こそ突き飛ばした時、俺のこと父さんとか呼んでいなかったか?」 ロヨラの反撃にロメがばつの悪そうな顔をする。 そんな二人のもとへ自動機動兵器が容赦なきサーベルを振り下ろしてくる。 「逃げよう、父さん」 ロメはロヨラの手を引いて駆け出した。
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