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「父さんのやり方は間違ってる」
ロメは風になびくボサボサの茶色い髪を鬱陶しそうにしながら呟いた。
そう、ポルタリスで唯一無抵抗主義を否定するものとはロメなのだ。
ロメがまだ小さく、ポルタリスにまだ抵抗組織があったころ抵抗組織の副隊長だったロメの母親は自動機動兵器の攻撃で死んだ。
当時、抵抗組織の隊長だったロヨラは自らの無力に嘆き、無抵抗主義を掲げ、集落の人々もそれに賛同したのだ。
その中で幼いロメだけは母の仇を討とうと強く決意していた。
まだ物見台で避難を促すことくらいしかできないが、いつか必ず仇を討つという思いは16歳になった今でも変わっていなかった。
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