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ヒロが、
いなくなるかもしれない。
思っただけで、
あたしは胸が苦しくて、
呼吸できないほどだ。
毎日、彼に会えなきゃ嫌だ。
愛を囁いていてほしい。
手を繋いでいてほしい。
そして、ヒロが疲れた時には。
一番に慰めてあげられる距離に、
あたしがいなきゃ、嫌だ。
口になんかできないけど、
そう、思ってるんだよ。
だけどそんな気持ちが、
彼の邪魔になることを、
あたしは分かっていた。
彼にあたしの人生を背負って欲しいなんて、
思ってはいない。
ただ、
支えあって、
気持ちを確かめられる場所にいてほしい。
二人でいられたら、
きっと、なんでもできちゃうから。
こんな時、
先輩と後輩という、変えようのない立場がもどかしい。
同じ視線で、同じ時期に、進路を考えられたなら。
ヒロの重荷にならずに、
あたしはあたしの、
ヒロはヒロの、
それぞれの夢を追いながらどう付き合っていくかを
きっと、考えられたのに。
あたしは、こんな時に。
情けないけど、
ヒロに、あたしのこと、気にしなくていいよ、なんて。
言えないよ。
あたしは、ヒロに愛されていた。大切にされていた。
だけど、それが、
対等な立場の上に成り立っているものではないと、
あの日、コンビニで、
思い知らされた。
あたしは怖かった。
きっと、一年くらいなら頑張れる。
出会った時と同じく、
ううん、それ以上に、
ヒロを、想い続けられる。
だけど、ヒロは、あたしから離れてしまうような気がする。
コンビニで、ガラス越しのヒロの眼差し。
胸が、鋭い痛みを訴える。
不安や、
嫉妬なんかを。
行かないで、
離れないで、
そんな言葉が溢れてきて、
自立心のない自分にうんざりする。
自己嫌悪に陥るくらいの不安を抱くほどに、
あたしは、
ヒロが、好き。
甘く、満たされる気持ちが大きいだけに、
ヒロがあたしの知らないところで、
知らない女の子と出会うかもしれないことを思うと、
心が引き裂かれるようだよ。
嫌だよ・・・。
ヒロを好きになればなるほど、
彼の側にいたくて、
独占したくて、
そんな自分が嫌いで、
どうしようもない葛藤を、
ヒロにぶつけていた。
笑いあっていた二人は、そこにはいなかった。
不安や嫉妬や独占欲は、
恋を、狂暴にする。
こんな愛し方を、
したい訳じゃないのに。
ヒロ、助けてよ。
あなたが好きすぎて、
あたし、どんどん
嫌な女の子になってる・・・。
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