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『ひーろ❤❤❤起きてる😋⁉
数学まぢつまんない😭あーちゃん、寝そう😞⤵
ね、今日一緒帰ろ😆?あーちゃんね、ワッフル食べに行きたぁい😍早く🏫終わらないカナァ😃❤❤❤ヒロに早く会いたいナァ😆』
授業中、亜美からのメールが来た。
亜美は、いつも元気だ。
彼女といると、女の子と一緒にいるなぁ、という気が凄くする。
テンションの高いところ、
白くて細いところ、
よく笑うところ、
いい匂いがするところ、
すぐ気分が変わるところ。
そんなすべての表情が、次々にくるくると回るように変わる。
亜美はまるで、猫みたいだ。
一体どこで見ていたやら、2年生になってすぐ、1年の亜美に告白された。
好きとか、深いほどの気持ちではなかったけれども、
単純に幼く、可愛い彼女を、
愛せるような気がした。
俺と亜美は、そうして付き合い始めた。
人生初めての彼女は、
いつもストレートに感情をぶつけてきて、
それが可愛く感じられる。
『いいよ、帰りにワッフル食べて帰ろう😋』
メールを返すと、
『わぁい😆😆😆ヒロ、大好き❤❤❤早く放課後来ないかなぁ😌✨✨✨』
亜美から元気なメールが帰ってきた。
馬鹿じゃねぇの?
ヤバい。
馬鹿で可愛い。
放課後、俺の自転車に二人乗りして、ワッフルやさんに行った。
「やー、どうしよ、全部美味しそう」
亜美は瞳を輝かせて、メニューを眺めている。
彼女の天真爛漫な笑顔は、俺に元気をくれる。
そして、俺の胸はキュッと小さくなる。
「あたしこの、ストロベリーにする。ヒロは?」
「じゃあ、プレーンで」
お待たせしました、と運ばれてきたワッフルは、予想以上に甘かった。
「いやー、美味しい。どうしよ、太っちゃうよー」
ぱくぱくと、幸せそうに食べる亜美を、
矛盾したこと言うよなぁ、と思いながら見つめる。
女の子は、皆、そうなのかな?
「亜美、口にジャム付いてるよ」
「え、どこ?取って」
亜美は甘えたように、顔をこちらに向けた。
その仕草が可愛くて、どきっとする。
俺は人指し指で彼女の口許に付いたストロベリージャムをすくい、
自分で舐めた。
甘酸っぱい味は、恋に似ている。
「あ、ヒロ、やらしい。間接キスだ」
嬉しそうに亜美が笑った。
彼女のこの笑顔を、俺が作っていると思うと、
素直な嬉しかった。
付き合うきっかけは不純だったけれど。
俺はいつの間にか、亜美が大好きになっていて。
それが続くと、
この時は信じていた。
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