現実

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あれから何度も私の都合に合わせて、ナホは横浜に来てくれた。 テレビで美味しい中華料理の店がやってた… っと言っては私を連れて行き。 ホテルのエステがすごいらしい… っと言っては連れて行き。 ディズニーランドやサマーランド…屋台船から見た花火も… すべてナホは私に絶対にお金を出させなかった。 いくらナホが年上とはいえ… 私へのプレゼントもいつも高価な物ばかりだし… 【一度聞いてみよ…】 「ナホ…負担じゃない?何で私に出させてくれないの?」 「あ~言ってなかったね!私経営者だよ…金持ちなの!」 ってイタズラっ子みたいな笑顔で言った。 良く考えたら… 毎回会っても私の仕事の話しはしても、ナホがどんな職場か…どこに住んでるかも知らなかった。 いつも横浜に来てもらい、私が千葉に行く事はなかったから… ちょっと不安になり… 「ナホ…今度千葉に行ってもいい?」 「来てくれるの?いいよ!」 って嬉しそうに… 「ナホの店も見たいな~」 「見においでよ! あ~……でも彼女がいるけど…」 そう、そうだったんだ… 今まで忘れてた存在… …彼女… 私…バカだよね! この時までナホが何故彼女と別れてくれないのか… って言うか存在を忘れてたんだから! 「私はナホにとって…浮気相手?」「違うよ…!」 「でも本命は彼女だよね!」 「違うよ!私が愛してるのは、ゆうだけだよ!」 「でも彼女とは別れられないんでしょ!………」 「……………」 長い沈黙のあと… ナホは彼女との事を丁寧に私に説明した。 彼女はミサ29才。 7年前にミサがナホに惚れて告白… 一度は断ったが… ミサは動じずにナホを思い続け… めちゃくちゃ尽くしたらしい。 そして、6年前から付き合い始めた。 何度か別れ話があったらしいが、いつもミサは自殺をほのめかせナホを取り戻してきた… 一度、どうせ脅しと思ったらほんとに手首を切った…って このミサに私は勝てるのか… 夢のような時間から現実は私を引き離した…
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