大人の階段

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その2週間の間の私といったら… 相変わらずの仕事をこなし… お決まりのコンビニでビールを買い、味のさだかでない自分の作った夕飯をほうばる… そして…時折泣きながら寝るのが日課になっていた… ナホに出逢う前と同じ… 淡々とした時間を前より少しはソツなくこなしてたようだった… 朝の日差しや空気の流れは以前ほど価値がなく… 仕事にでる支度は無意識にできあがるほど抜け殻で… 今日も昨日と変わらない空にウンザリしながら家をでた。 少し歩いた所にその人は立ち… 「生きてるじゃん! 嫌いになったなら、ちゃんと傷つけてふってくれよ!」 少し懐かしく思えたナホが立ってた… 「今か…ら…仕事… ってか……何してんの?…」 自分の中の誰があんな冷静に話したのか… 驚くほど…… 静かに…… 「ミサには話して、明後日には荷物運ぶって… ちゃんと別れたから… 頼むよ… 居なくならないで…」 あれほど頼りない声を聞くのは、初めてで… 私はそれが愛おしく、たまらなく恋しくて許したんだ… たった2週間の間に自分が少し大人になれた気がした…
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