3人が本棚に入れています
本棚に追加
悲しそうな、哀れみの目でクラスの全男子が僕を見つめた。
「ユー©…疲れてるんだな…保健室、行くか?」
優しく心配してくれてるが…残念な事に、僕は全然疲れちゃいなかったし、保健室何て行く気は毛頭無かった。
「疲れて、無いよ…信じてよ…」
僕が涙目で弁解しようとするとそれ以上、誰も何も言わなかった。
何で…?
何で皆忘れてるんだ…?
狼少年になった気分だ。でも、僕は嘘を付いた覚えは無い。
「……本…と……だか…」記憶の中のノイズが音をたてて消えていく。それと同時にめまいさえもおこった。
「…ユー©?ユー©!」
和司君達の声が薄れる…
………………
──昔…そう遠くない昔。
僕には名前も知らない女の子と良く遊んでいた。
長い髪に優しい笑顔で満ちた彼女は…
彼女は…
───死ん、だ 。
そう、彼女は…僕の目の前で…車に、轢き逃げされたのだ。
僕はどうする事も、出来なかった─────
「…ユー…ユー©!」
目が覚めると、和司君と会長とゴリ先が僕を見下ろしていた。
「…ここ、は?」
「保健室ですよ。」
会長は眼鏡を押し上げ、短く言った。
「ユー©、お前…倒れたんだぜ?」
最初のコメントを投稿しよう!