*序章*涙。

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斎藤は安西と握手すると卒倒してしまい、保健委員のお世話になった。 「………なぁ、あんたも今日から宜しくな。」 不意に話しかけられた。 「あ、うん。勿論だよ」 にこっと笑う笑顔が最高に可愛い…どうやら僕は彼女に……いや、無いだろ。     その後彼女との会話は皆無だった。クラスメイトに邪魔されたからだ。 その日僕は自分の部屋でぼーっとした… あれ…?今日…………!! 「課題っ」 学校に忘れてしまったのだ。外はもう夜になっていた。 「…………はぁ…はぁ…」 走って20分位…息が上がってしまった。 「…登るか」 柵はしまっていたので登って侵入。 「ふぅ…誰か、居ませんか?」 返事が無い。どうしよう… ふと教室を見ると、髪の長い見た事もない女子が窓辺に佇んでいた。 「人…!すみませんっ…」 ガチャ…キィイ…… 誰も居ないのに昇降口の鍵が開いた。 有り難い…!     教室に入ると、まださっきの女子が居た。 「あの…どなたですか?」 課題を取り出し、彼女に声をかけた。 「……」 振り向き、見たのは…涙。「え…?」 「……………」 僕がびっくりすると、何も言わず彼女はすぅっと消えてしまった。
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