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僕はとりあえず曖昧な返信と笑顔を返した。
「だろー?仲島も頑張れよー??じゃねぇと了先生に叱られるからな。」
ふふっと春の太陽の様な笑顔を向けた。
了…先生…?誰だっけ…??
「忘れたかー??ゴリだろ?」
僕の表情の変化に気が付き、和司君はカカカッと妖怪じみた笑いをこぼした。
ゴリ…あぁ…後藤 了(ごとう りょう)…略してゴリだったっけ…
「あ、オレそろそろ行かなきゃ…じゃな♪」
そう。既に時は放課後となっていて、教室には僕達以外居なかった。
「また明日~。」
鞄を持って走り出す安西の背に向かって手を振った。
足が早いのかすぐに彼女の背中は見えなくなった。
「…なぁ」
「ん?」
潜める様な声に僕は振り向いた。
「つけようぜ」
へ?っと疑問符が沢山浮かんだ僕に準備万端な和司君は僕の鞄を投げ渡し腕を引っ張った。
「走れ!見失うぞ!!」
まったく、和司君の思い付きには困ったもの…
「転ぶって!早い〰!!」
涙ながらに抗議するも、和司君はそんな事聞いちゃいない。
僕は引きずられる様に学校から連れ出された…。
着いた先は、古い誰も使っていない公園だった。
安西はここで一体何をするんだろう…?
近くの木陰で僕達はひっそりと見守った。
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