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結局、彼女は何もせず…した事と言えば静かに公園を見渡した事位だった。
「………」
安西は何も言わずに公園の奥の森の方に進んで行った。
「あ!ユー©追うぞ!!」
もぅ…ほっといてあげようよ…
安西が何処に行こうと僕達には関係無いし…
そんな事は口に出せなかった。言ったとしても、和司君ならシカトが関の山だし…
和司君は僕の腕を無理に引っ張り、ずかずかと安西の通ったであろう獣道を進んだ。
………ここ、は…
気が付くと、柵の有る開けた崖の上に出た。
──ここ…もしかして
「おぃ、見ろよ!ユー©!!絶景だぜ!!!」
街が全部一望出来、夕焼けの位置が一枚の絵画の様だった。
もしかして…いや、もしかしなくても…
「ここ、来た事有る…」
忘れてしまったけれど、そう昔でも無かった筈だ。
「マジかよ~、こんな最高のスポット独り占めすんなや…」
いや、羨ましそうに言われても…
しかも独りでは無かった筈だ。誰か、分からないけど…多分、女子だった。
何だろ…思い出そうとすると頭痛が…
「ユー©?おい、市原!?」
どうやらふらついてしまった様だ。和司君が心配してる。
「あ…うん、大丈夫だよ。」
僕はにこっと笑って言った。
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