一本の電話

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ある日の午後。俺、永倉秀貞は何時もの様に外周りをしていた。 此処に就職して2年、現在30歳である。何も変わらないが、安定した生活を送っていた。 今の仕事が嫌なわけではないが、たまに前の仕事を思い出す。大変ながらも充実し、やり甲斐のあったあの日々を、そしてあの人を。 そんな事を考えているとき、不意に個人の携帯がなった。 誰からかと見ると、それは今思った人だった。懐かしくなり通話ボタンを押した俺の耳に聞こえて来たのは、あの人の声ではなく、家族からの訃報を告げる声だった…
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