21人が本棚に入れています
本棚に追加
/33ページ
それは、俺が24歳の時だった。東京の大学を卒業したは良いが、全ての会社を不採用となり、地元宮城に帰って来たのだ。
一年経った今も就職出来ず、毎日アルバイトの日々が続いていた。
その日も俺は居酒屋でアルバイト中だった。そして、そこであの人にあった。
まだ、準備中の居酒屋の扉が開き、体つきの良い男性4人が入って来た。
俺はまだ準備中だと説明しようとしたが、後から店長の声がした。
「社長、いらっしゃい。何時もので良い?」
「ああ、頼むよ。」
どうやら、店長の知り合いの様だ。
俺は、店長に彼等が何者か訪ねる。
「店長、あの人達は誰なんです?」
「嗚呼、永倉君は初めてか。あの人達は、木の伐採をしてる小野林業の人達さ。で、私と話してたのが、社長の小野友弘(おのともひろ)さんだよ。」
林業と言う言葉は知っていたが、あの頃はまだ、危険で汚い仕事だと思っていた。
しかし、この出会いが俺を変える事になった。
最初のコメントを投稿しよう!