帰り道。

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さっきからキョロキョロしている俺。 今日は、ちなみと帰る約束をしている。 している......筈なのだが。 (いねぇ......) さっきからずっと張り込んでいるのだが、ちなみの姿はまだ見えない。 逃げたんじゃないだろうな。 「.........」 と思ったら、木の下でつまらなそうにしてる女の子を発見した。 校門からだとトラックの陰になって、見えづらい場所だ。 「おーい、ちなみー」 手を振りながら、声を張り上げて合図する。 「.........」 何故か紅くなって慌てるちなみ。 とりあえず、俺は駆け寄った。 ----だっ。 ...逃げた。 (.........え?) 呆気に取られている俺を他所に、長いストレートを尻尾みたいにたなびかせ、どんどん離れていく少女の姿。
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