2003年。絵奈23才。

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家も場所も、香奈と相談し、香奈の就職先と啓くんの家との中間に決めた。 啓くんとの生活も後わずか。 一緒にこのアパートで最後の正月を迎えた。 啓くんは厄年という事もあり、厄除けをしに近くのお寺へ初詣に出掛けた。 「ちゃんと厄払いしてもらわないとね!!なんかあったら困るし。」 『大丈夫だろ!なんもねーって』 「わかんないじゃん!あっ!お札も買わなきゃね!!」 『……はいはい。』 結局、啓くんの方が乗り気になって、家用、車用、携帯出来る小さいお札を購入して帰った。 そして、引越し当日。 慎くんにも手伝ってもらい、アパートから新たな生活を始めるアパートまで荷物を運んだ。 業者に頼むほどではなかった為、私を含め、車三台で済んだ。 『へぇー2LDKかぁ。いーじゃん。駅近いし、周り静かだし、お互いのプライバシー守れる部屋作りだしさぁ!』 慎くんが部屋を見回りながら言った。 『啓くーん!お姉!来たよ!手伝って!』 香奈が来た。 慎くんに気付き…… 『あっ…こんにちは。 香奈です。姉がお世話になってます。』 と慌てて、言った。
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