二人最後の遊園地。

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玄関で靴を履くと後ろから、 『いってらっしゃい!』 と、お母さんが笑顔で見送ってくれた。 幼い頃から父と二人暮らしだった私は、なんだかその言葉が照れ臭かったけど、笑顔で振り返り、 「行ってきます!お邪魔しました。」 と告げて車へ。 「ちょっと!私、運転するの?」 啓くんは早々と助手席に座り一服していた。 渋々、私が運転し、何気ない会話をしながら遊園地へと向かった。 付き合ってた頃とは違い、今は友達。 それでも、やっぱり、六年は長かったから、気分的には気使うことなく、お互い自然でいられた。 ………当たり前だよね。まだ別れて二ヶ月しかたってないから…。
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