2003年5月18日。

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………だんだんと病室に近づくにつれて、足どりが重くなる………… そんな私を慎くんは、腕を掴み、引っ張って行ってくれた。 「ねえ!慎くん!何があったの?」 『…………』 慎くんは黙ったまま、私の腕を引っ張っている。 一つの開いた扉の前で、立ち止まった。 中にはたくさんの人がいる。 私は、周りの人を見る余裕がなかった。 近くで『絵奈ちゃん……』と聞こえたが、多分啓くんのお母さんだろう。 私の目は、目の前にあるベットを見つめたままだった………
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