Totsuzen Maiden

13/16
前へ
/16ページ
次へ
 険悪な雰囲気の中での重苦しい夕飯が終わり、のりが皿を洗う音がやけに響くなか、居間に全員が集合する。 「ジュン、紅茶を入れて頂戴」  反射的に立ってしまう。 「……」 「……?」  悲しいかな、パブロフの犬よろしく、習慣はすっかり身にしみついてしまったようだ。 「こっ、ここここれはですねぇ……その、たまには翠星石が入れてやってもいいかなーなんて、そういう風に思ったわけじゃねーですよ!?」  あ、すごい。だいたいこんな感じだ。というか演技としては完璧だ。 「……いいわ。翠星石、入れてみなさい」 「承知ですぅ!」  真紅も合わせてくれている。  さて、いつもどおり入れるとするか。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加