Totsuzen Maiden

7/16
前へ
/16ページ
次へ
時刻は18時50分。 部活帰りののりがそろそろ帰ってくるころだ。 「ただいまー」 帰宅を告げるのりの声。 「……いい、ですね? しっかりやりやがれ、です」 「……わかった、そっちこそ翠星石らしく振る舞え、よ」 「しかし歩きにくい、です。なんて長いスカートです、か。」 「つべこべ言う、な。そのドレスはお父様から頂いた大切なものなん、だから、な。そっちこそこんなゴワゴワした服よく着てられる、な」 「みんなー、ご飯よーぅ」 翠星石は緊張から来る初めての高鳴る鼓動に困惑し、ジュンは目線の低さに戸惑う。 「蒼星石、のりの前ではなるべくジュンと翠星石には話しかけないで頂戴」 「……そうだね。分かった」 コツ、コツ、コツ…… 「階段の一段が高く感じる、です」 「翠……僕には低く感じる、けど、な」
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加